機械その5 パワーエレクトロニクス(Power Electronics)
このページについて
このページでは、パワーエレクトロニクスの公式や重要単語とその解説について掲載しています。
また、その公式がどの過去問に使われているかについても記載しています。
パワーエレクトロニクスのポイント
パワーエレクトロニクスの分野では、各種半導体デバイスやダイオード、チョッパー回路の特性を問う知識問題が中心に出題されます。
問題数は多いのですが、知識を問う問題が多く、覚えていれば解くことのできる問題が多いため、しっかりと暗記しましょう。
目次
パワーエレクトロニクス
- 半導体デバイスを用いて電力の変換や制御を行う技術。
コンバータ
- 交流 ⇒ 直流
インバータ
- 直流 ⇒ 交流
直流チョッパ
- 直流 ⇒ (電圧の異なる)直流
電力変換装置
整流ダイオード
- n形半導体とP形半導体によるpn接合で整流を行う。
- 順電圧⇒電流を流す。逆電圧⇒電流を流さない。
- 自己消弧能力なし。(素子自体でオン、オフができない)
サイリスタ
- 4層構造の半導体からなる。
- 順電圧でゲートに電流を一瞬流すと、電流流れ続ける。(ターンオン条件)
- 逆電圧を加えるor電流を0にする。 ⇒ 電流は流れなくなる。(ターンオフ条件)
- 自己消弧能力なし。
トランジスタ
- n形とP形半導体を交互に重ねた素子
- ベースに電流\(i_B\)を流している間、電流\(i_a\)は流れ続ける。
- 自己消弧能力あり。
- 遮断領域(オフ)と飽和領域(オン)を切り替えてスイッチングする。
パワーMOSFET
- 電圧駆動形のトランジスタ
- スイッチング作用が最も速い。
- 自己消弧能力あり。
IGBT
- トランジスタとMOSFETを組み合わせた構造。
- スイッチング速度はこれらの中間。
- 駆動ゲート電力は小さい。
- 並列接続が容易。
単相半波整流回路
交流を直流に変換する。
公式
$$\Large{V_d=0.45V\frac{1+cosα}{2}}$$
単相全波整流回路
交流を直流に変換する。
公式
$$\Large{V_d=0.9V\frac{1+cosα}{2}}$$
還流ダイオード
- 回路中に負荷が誘導性の場合、電流は遅れるため電圧\(v_d\)が負になっても出てしまう。
⇒直流平均電圧の低下に起因する。
それを改善するため、電源に並列にダイオードを接続する。
平滑コンデンサ、平滑リアクトル
- 脈流を滑らかにし、より直流に近づける。
- \(τ=RC\)、\(τ=\frac{L}{R}\)が大きいほど脈流は小さくなる。
- \(i_d\)が完全に平滑の時、方形波となる。
サイリスタ
- ON:電圧0V
- OFF:電圧=電源電圧
チョッパの平均出力電圧
降圧チョッパの平均出力電圧
公式
$$\Large{V_d=\frac{T_{On}}{T_{On}+T_{Off}}E=αE}$$
昇圧チョッパの平均出力電圧
公式
$$\Large{V_d=\frac{T_{On}+T_{Off}}{T_{Off}}E=\frac{1}{1-α}E}$$
昇降圧チョッパの平均出力電圧
公式
$$\Large{V_d=\frac{T_{On}}{T_{Off}}E}$$
- ON、OFFのスイッチングにより、パルス幅を制御することで定電圧、低周波数の交流を得られる。