機械その10 電動機計算(Electric Motor Calculation)
このページについて
このページでは、電動機計算の公式や重要単語とその解説について掲載しています。
また、その公式がどの過去問に使われているかについても記載しています。
電動機計算のポイント
電動機計算の分野は、小型モータの特性について問う知識問題と、各電動機の出力を求める計算問題が中心に出題されます。
覚える公式は多いのですが、そのまま使える公式が多いため、しっかりと覚えて対応しましょう。
目次
慣性モーメント
質量と物体の半径の2乗に比例する。
公式
$$\Large{J=mr^2}$$
\(J\):慣性モーメント[Nm] \(m\):質量[kg] \(r\):原点からの距離[m]
運動エネルギー
公式
$$\Large{W=\frac{1}{2}Jω^2}$$
\(J\):慣性モーメント[Nm] \(ω\):角速度[rad/s]
エレベータの所要出力
公式
$$\Large{P=\frac{9.8(M_C+M_L-M_B)\frac{V}{60}}{η}}$$
\(P\):エレベータの所要出力[W]
ポンプの所要出力
公式
$$\Large{P=K\frac{9.8QH}{η}}$$
\(P\):ポンプの出力[kW] \(K\):余裕係数 \(Q\):流量[m3/s] \(H\):全揚程[m] \(η\):効率
送風機の特性
公式
$$\Large{T∝v^2}$$
ブラシレスDCモータ
- 永久磁石を回転子側、電機子巻線が固定子側 ⇒ 同期機と似た構成。
- ブラシと整流子が不要
- トルクを得るために回転子の回転位置の検出が必要
- 半導体スイッチを活用する。
小形直流モータ
- 2個の永久磁石、3個のコイル、3個の整流子片からなる。
- 電機子の溝数を減らすと、トルクの脈流が増える。
- 保磁力の大きい希土類系永久磁石を用いる。
- 円滑な始動が困難なためインバータを用いる。⇒ 小形同期モータ
小形交流モータ
- モータの固定子がつくる回転磁界中に、永久磁石を付けた回転子を入れると、回転子は回転磁界と同じ速度で回転する。これが永久磁石同期モータの回転原理である。
- 永久磁石形同期モータは、回転子の構造により、埋込磁石形同期モータと表面磁石形同期モータに分類される。
- 埋込磁石形同期モータは、構造的に小型化・高速化に適しており、さらにリラクタンストルクが利用できる特徴がある。
- リラクタンストルクは、固定子と回転子の鉄心(電磁鋼板)との間に働く回転力のことである。この回転力のみを利用したモータは、永久磁石形同期モータに比べて、材料コストが低いという特徴がある。