法規その6 電気施設管理(Management of Electrical Installations)
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このページでは、電気施設管理の公式や重要単語とその解説について掲載しています。
また、その公式がどの過去問に使われているかについても記載しています。
電気施設管理のポイント
電気施設管理の分野では、高圧受電設備の特徴を問う知識問題や、需要率や総合負荷率、三相3線式の損失などの計算問題が中心に出題されます。
計算分野であるため、過去問を繰返し解いて問題に慣れましょう。
目次
電力の需要と供給
- 電力の需要は 1 日の間で大きく変動し,一般に日中に需要が最大となる。
- 一方で, 太陽光発電の大量導入に伴って,日中の発電量が需要を上回る事例も報告されている。
- 需要電力の平準化や,電力の需給バランスの確保のために, 揚水式発電が用いられている。
- また近年では,畜電池などの電力貯蔵装置の技術が向上している。
- 天候の急変時や発電所の故障発生時にも周波数を標準周波数へと回復させるために,運転予備力が確保されている。部分負荷運転中の水力発電機や火力発電機などが運転予備力の対象となる。
各計算
需要率
公式
$$\Large{需要率=\frac{合成最大需要電力}{総設備容量}×100}$$
- 最大需要電力:ある期間における最も大きい需要電力
負荷率
公式
$$\Large{負荷率=\frac{平均需要電力(1時間あたり)}{最大需要電力}×100}$$
不等率
公式
$$\Large{不等率=\frac{各需要家の最大需要電力の合計}{合成最大需要電力}×100}$$
総合負荷率
公式
$$\Large{総合負荷率=\frac{合成平均需要電力}{合成最大需要電力}×100}$$
変圧器の効率
公式
$$\Large{η=\frac{aP_ncosθ}{aP_ncosθ+P_i+a^2P_C}×100}$$
負荷率
公式
$$\Large{a=\frac{S}{P_n}}$$
水力発電所の出力
公式
$$\Large{P=9.8QHη_Wη_g}$$
キュービクル式高圧受電設備
- CB形
・主遮断装置:高圧交流遮断器(CB)
・高圧側の短絡事故に対する保護:CBと過電流継電器(OCR) - PFS形
・主遮断装置:高圧限流ヒューズ(PF)と高圧交流負荷開閉器(LBS)
・高圧側: 高圧限流ヒューズ(PF) - ZCT (零相変流器) ⇒ 地格保護
- LA(避雷器) ⇒ 電路を保護する
高圧受電設備の点検
- 日常点検
- 定期点検:年1回停止させる。
- 精密点検:3年に1回停止させる。
- 臨時点板
- 点検手順の一例
a) 配線用遮断器(MCCB)を全て開放する。
b) 真空遮断器(VCB)を開放する。
c) 地絡方向継電装置付高圧交流負荷開閉器(DGR 付 PAS)を開放する。
d) 断路器(DS)を開放する。
e) 断路器(DS)の電源側及び負荷側を検電して無電圧を確認する。
f) 高圧電路に接地金具等を接続して残留電荷を放電させた後,誤通電,他の電路との混触又は他の電路からの誘導による感電の危険を防止するため,断路器(DS)の電源側に短絡接地器具を取り付けて接地する。
g) 断路器(DS),開閉器等にはそれぞれ操作後速やかに,操作禁止,投入禁止,通電禁止等の通電を禁止する表示をする。
絶縁油の点検(酸価度試験)
- 使用すると次第に劣化して抵抗率や耐圧が下がる。主な原因は空気が油に溶け込み酸化するため。
- 温度上昇によって促進される。
三相3線式の電圧降下
公式
$$\Large{v=\sqrt{3}I(Rcosθ+Xsinθ)}$$
三相3線式の電力損失
公式
$$\Large{P_l=3RI^2=3R(\frac{P}{\sqrt{3}V_rcosθ})^2}$$