電力その1 水力発電(Hydro Power)

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このページでは、水力発電の公式や重要単語その解説について掲載しています。
また、その公式がどの過去問に使われているかについても記載しています。

水力発電のポイント

水力発電の分野では、水力発電所の特徴や水車の種類を問う知識問題や、ベルヌーイの定理を用いた計算問題が中心に出題されます。
出題される問題はパターン化されているものが多いため、過去問を繰返し解いて慣れておくと良いです。

目次

ベルヌーイの定理

公式

$$\Large{ρgh+\frac{ρv^2}{2}+P = 一定}$$
\(ρ\):液体の密度[kg/m^3] \(g\):重力加速度[m/s^2] \(h\):高さ[m] \(v\):速度[m/s]\(P\):圧力[Pa]

下式の右辺をρgで割り、エネルギーの大きさを基準面からの高さに換算したものが下式となる。

ポイント
流体が配管内などを動く際に生じる各エネルギーは、常に一定であるというエネルギー保存則を表す。
位置エネルギー、運動エネルギーに加えて圧力エネルギーが存在する。

位置水頭

公式

$$\Large{h}$$

速度水頭

公式

$$\Large{\frac{v^2}{2g}}$$

圧力水頭

公式

$$\Large{ \frac{P}{ρg}}$$

連続の式

配管内を通る液体の流量は、配管の径と流速に比例する。
 また、流量はどの断面でも常に一定である。

公式

$$\Large{Q = Av = 一定}$$
\(Q\):流量[m^3/h] \(A\):配管の断面積[m^2] \(v\):速度[m/s]

水力発電所の特徴

  • 短時間で起動・停止できる。
  • 耐用年数が長い。
  • エネルギー変換効率が高い。
  • 日本における水力発電の発電電力量の比率は10%未満である。
  • 河川の 1 日の流量を,年間を通して流量の多いものから順番に配列して描いた流況曲線は,発電電力量の計画において重要な情報となる。
  • 総落差から損失水頭を差し引いたものを一般に有効落差という。有効落差という相当する位置エネルギーが水車に動力として供給される。
過去問出題
2022下:問1

発電機出力

公式

$$\Large{P_g = 9.8QHη_wη_g = 一定}$$
\(P_g\):発電機出力[W] \(Q\):流量[m^3/h] \(H\):有効落差[m] \(η_W\):水車効率 \(η_g\):発電機効率

年間発電電力量

+α.日本における水力発電の発電電力量の比率は10%未満である。

公式

$$\Large{W = 8760P_g×利用率}$$
\(W\):年間発電電力量[Wh]

水車の種類

速度水頭

位置エネルギーを運動エネルギーに変換する。

  • 衝動水車(ペルトン水車)
    ・ノズルをニードル弁で塞ぐことで流量を調整する。
    ・先にデフレクタを停止位置にすることでウォーターハンマを防ぐ。
    ・空気中を通過できる。
    ・比速度は小さい。
過去問出題
2022下:問2

圧力水頭

位置エネルギーを圧力エネルギーに変換する。

  • 反動水車(フランシス水車、プロペラ水車)
    ・ガイドベーン(羽根)の開度で流量を調整する。

調速機

  • 水車の回転速度を制御する。
  • 水車の流量(出力)を制御する。
  • 事故時の回転速度の上昇を防止する。
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