理論その6 過渡現象(Transient Phenomenon)

過渡現象
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このページでは、過渡現象の公式や重要単語その解説について掲載しています。
また、その公式がどの過去問に使われているかについても記載しています。

過渡現象のポイント

過渡現象の分野では、波高率、波形率の計算問題や抵抗とリアクタンスの組合せによる初期値、定常値の知識問題が中心に出題されます。
覚えていれば解ける簡単な問題が比較的多いため、点数の取りやすい分野ともいえます。

目次

非正弦波交流の瞬時値

高調波成分により、乱れが生じる。

公式

$$\Large{v = V_O+\sqrt{2}V_1sin(ωt+Φ_1)+\sqrt{2}V_2sin(2ωt+Φ_2)+…\\+\sqrt{2}V_nsin(nωt+Φ_n)}$$
\(V_O\):直流成分 \(\sqrt{2}V_1sin(ωt+Φ_1)\):基本波成分
\(\sqrt{2}V_2sin(2ωt+Φ_2)+…+\sqrt{2}V_nsin(nωt+Φ_n)\):高調波成分

公式

$$\Large{i = I_O+\sqrt{2}I_1sin(ωt+Φ_1)+\sqrt{2}I_2sin(2ωt+Φ_2)+…\\+\sqrt{2}I_nsin(nωt+Φ_n)}$$
\(I_O\):直流成分 \(\sqrt{2}I_1sin(ωt+Φ_1)\):基本波成分
\(\sqrt{2}I_2sin(2ωt+Φ_2)+…+\sqrt{2}I_nsin(nωt+Φ_n)\):高調波成分

非正弦波交流の実効値

公式

$$\Large{V = \sqrt{V^2_0+V^2_1+V^2_2+…+V^2_n}}$$

非正弦波交流のひずみ率

ひずみ率は波形がどのぐらいひずんでいるかを割合にしたもの

公式

$$\Large{k = \frac{\sqrt{V^2_2+V^2_3+…+V^2_n}}{V_1}×100}$$
\(k\):ひずみ率

ポイント
分母:基本波の実効値、分子:高調波の実効値

波高率

実効値に対する最大値の比。

公式

$$\Large{\mathbf{波高率=\frac{最大値}{実効値}}}$$

過去問出題
2022下:問8

波形率

平均値に対する実効値の比。

公式

$$\Large{\mathbf{波形率=\frac{実効値}{平均値}}}$$

過去問出題
2022下:問8

初期値と定常値

R-C回路

  • 初期値:Cを短絡して計算する(Cに電流が流れる)
  • 定常値:Cを開放して計算する(Cに電流が流れない)
イメージ
R-C回路の初期値と定常値
ポイント
電流は初期値が最も大きく、次第に低下していく。
電圧は初期値が最も小さく、次第に上昇していく。
過去問出題
2022下:問10

R-L回路

  • 初期値:Lを開放して計算する(Lに電流が流れない)
  • 定常値:Lを短絡して計算する(Lに電流が流れる)
イメージ
R-L回路の初期値と定常値
ポイント
電流は初期値が最も小さく、次第に上昇していく。
電圧は初期値が最も大きく、次第に低下していく。
過去問出題
2022下:問10

時定数

  • 時定数は、平衡状態(定常値)に達するまでの時間を表しており、電気回路における緩和時間のことを指す。

R-C回路

公式

$$\Large{τ = RC}$$
\(τ\):時定数[s] \(R\):抵抗[Ω] \(C\):静電容量[F]

R-L回路

公式

$$\Large{τ = \frac{L}{R}}$$
\(τ\):時定数[s] \(R\):抵抗[Ω] \(L\):インダクタンス[H]

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