電力その3 原子力発電(Nuclear Power)
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このページでは、原子力発電んの公式や重要単語とその解説について掲載しています。
また、その公式がどの過去問に使われているかについても記載しています。
原子力発電のポイント
原子力発電の分野では、原子力発電の特徴や核燃料サイクルの流れを問う知識問題と核分裂エネルギーを求める計算問題が中心に出題されます。
出題数は少ないのですが、計算問題はパターン化されていることが多いため、過去問を繰り返し解きましょう。
目次
原子力発電の特徴
- 汽力発電と同じ原理。(蒸気でタービンを回し発電する。)
- ウラン235を使用する。
- ウラン238が中性子を吸収するとプルトニウム239を生成する。プルトニウム239は自然界に存在しない。
質量欠損
- 核分裂時、原子核の質量は陽子と中性子の合計より小さくなる。
その質量欠損分が、核分裂時に放出されるエネルギーになる。
公式
$$\Large{E = mc^2}$$
\(E\):核分裂エネルギー[J] m[kg]:ウラン235の質量×質量欠損 光速c[m/s]=3×108
軽水炉
- 原子燃料に低濃縮ウランを使用し、冷却材と減速材に軽水を用いた原子炉
- 軽水炉では、何らかの原因により原子炉の熱出力が上昇し、炉内の温度が上昇した場合でも、燃料の温度上昇に伴ってウラン238による中性子の吸収が増加するドップラー効果により、出力が抑制する。このような働きを原子炉の固有の安全性という。
沸騰水型軽水炉(BWR)
- 蒸気を原子炉の中で直接発生させる。
- 制御棒と再循環流量の調整によって、出力を制御する。
- 原子をが何らかの理由で熱出力が増加した場合、そこで発生する気泡によって熱中性子が減るため、熱出力を自然に抑制できる。(気泡は水と比べて減速効果が小さい。)⇒ボイド効果
- PWRに比べて原子炉圧力は小さいが、容器は大きくなる。
加圧水型軽水炉(PWR)
- 蒸気発生器を介して蒸気を発生させる。
- 制御棒とホウ素濃度の調整によって、出力を制御する。
- 一次系と二次系の軽水が混じらないため、タービンや復水器が放射性物質に汚染されない。
- 加圧気により加圧するため、原子炉内の圧力が高い。
- BWRに比べて汽水分離器や乾燥機がないため、容器は小さくなる。
核燃料サイクル
- 精錬工場(イエローケーキ)→転換工場(六ふっ化ウラン)→濃縮工場(濃縮ふっ化ウラン)→再転換工場(燃料集合体)→使用